2007年05月

2007年05月18日

カードが使えないスナック【田舎暮らし白書】 5

カードが使えないスナック田舎暮らし白書

田舎暮らしを始めて、初の友人ができた時のこと。親睦を深めようとサシで居酒屋へ。そこで大いに盛り上がり、2軒目にスナックへ。さらに話が弾み3軒目に向う時だった。

友人はもう金がないと言う。私は大丈夫、大丈夫と言い3軒目に入り、閉店まで呑んだ。
さてお勘定。私はおもむろに財布からクレジットカードを出し、ごくごく普通に「カードで」と言った。
スナックのママは目を丸くし、周りも何か変な雰囲気だ。そして、ママから言われたひと言。
そんなしゃれたもんウチで使えるわけねべ。」

友人はバツ悪そうに小声で、
「この辺の飲み屋はクレジットカードとかは使えませんから。」

結局、地元出身である友人のツケということになり事なきを得たが、私としては開いた口がふさがらなかった。何で飲み屋でカードが使えないの?何軒もハシゴするだけの現金をいつも持ち歩く訳じゃないしなぁ。
それに、なんか「俺は東京から来たんだぜ!」みたいにカッコ付けてわざとカードを出したと思われてはいまいかと、そっちの方も心配だった。

その後、この日同伴した友人は今でも私の田舎暮らしの先生として、田舎での生活について私が恥をかかないよう、様々なことを教えてくれている。

あ、私のクレジットカードのほとんどは解約し、今は1枚だけ。
その1枚もほとんど使う機会がないのは言うまでもない・・・。


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2007年05月17日

ゴキブリがいない喜び【田舎暮らし白書】 5

ゴキブリがいない喜び田舎暮らし白書

田舎暮らし云々というよりも、東北の素晴らしいところはゴキブリがいないところだ。たまに出るらしいが、私はまだ一度も遭遇したことはない。

実は東京にいるとき、うなぎ屋さんの上に住んでいたことがあった。ゴキブリ大嫌いな私にとって一生の不覚だったと言える。もう想像がつくだろうけど、出ること出ること。真冬以外は心休まる暇がなかったのを覚えている。ゴキブリは1匹見たら100匹はいる、と言われている。それを想像するだけで気分が悪くなってしまう。

なんでこんなに嫌いかというと、その理由は小さい頃の記憶に起因すると考えられる。ゴキブリが出ると、いつも姉は「ぎゃあぁぁぁ〜〜〜っ!」と、この世のものとは思えない奇声を発し、裸足のまま家を飛び出していた。そして母がゴキブリをしとめるまでは家に戻ってこないのである。そんな光景を見てきた弟の私がゴキブリを好きになる訳がない。ゴキブリとはそれだけの気持ち悪いもの、という固定観念が出来上がってしまったのである。

ここ岩手ではほとんど奴らを見かけないから非常にありがたい。これは私個人にとっての田舎暮らし(東北暮らし)の大きなメリットの1つだ。

しかし、よ〜く考えてみると・・・、

ゴキブリが床にいると足で踏み潰し、壁にいると素手でひねりつぶす私の母の姿を見て、なんで姉と私はそんな母のようにならなかったんだろうか???


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田舎暮らしのプライスレス 5

田舎暮らしのプライスレス

これまで田舎暮らしの嫌いな面をたくさん書いてきた。これからもたくさん書くだろう。良い悪いでなく、私がそう感じているのだから仕方ない。

しかし、そんな田舎暮らしの悪い面すべてを包み込んで帳消しにしてしまうものが1つある。そして、それはプライスレス。お金で買えない価値があるってわけで。

それは、

大自然だ。

東京にいる時は常に人工のものに囲まれていた。鉄、コンクリート、アスファルト、プラスチック・・・水族館、遊園地、森林公園、人工池・・・一見自然に見えるものも人工だった。
都会でも田舎でも太陽や空は同じなんだろうけど、田舎暮らしを始める前に私が東京で見てきたのはビルの壁から昇る太陽、看板と看板の間に見える空だった。

しかし、田舎には本物の自然がある。日常の中に自然がちりばめられている

海の地平線から昇る大きな大きな太陽、
荘厳な山並みの向こうへ沈むオレンジの夕日、
木々の間から見える澄んだ空、
夕日を浴びた見事な山一面の紅葉、
山から家から道路から全てが真っ白になる白銀の世界、
懐かしい草木の匂い、
汚いものすべてを吹き流してくれる爽快な潮風、
風に揺れる木々の葉の音、
寄せては返す波の音、
海の街独特の潮の香り・・・

私にもっと文学的表現能力があれば、もっともっと上手に表現できるのだが・・・とにかく、海、山、川、土、石、砂、木、草、花・・・どこに行っても、いつ見ても素晴らしい自然がいっぱいある。そんな大自然が<日常の中>にあるのだ。通勤の途中、買いものに行く途中で感じることができるのだ。

自然を愛してやまない人にとっては、田舎暮らしは最高だろう。
なんたって、こんな鈍感な私でさえも大感動するくらいの自然がたくさんあるのだから。
逆に言えば、この景色、音、匂いに感動することができなければ、田舎暮らしは全くの地獄だろう(笑)。


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2007年05月16日

取り寄せ地獄【田舎暮らし白書】 5

取り寄せ地獄田舎暮らし白書

田舎暮らしで困っていることの1つに欲しいものを買うのに時間がかかるということがある。なぜなら欲しいものは大抵“取り寄せ”になるからだ。お店などで何度「お取り寄せになります。」というセリフを聞いたことか。

思ったときに思ったものが欲しい。気持ちが盛り上がった時に手に入れたいのだ。私は、2週間後には気持ちがどうなっているか分らないB型なのだ。待つのが嫌いな私にとって「取り寄せ」はとても辛い。しかも、田舎は取り寄せの上に値も高く、ほとんどカタログ通りの定価だったりする。

なので、最近はほとんどネットで買い物をしている。本来、田舎暮らしをしている以上、できるだけ地元でお金を使いたいという気持ちがあるのだが、ネットに無いものはないし、地元の店で買うよりもずっと値段も安い。田舎の取り寄せは通常2週間くらいかかるが、ネットなら翌日来るものもある。しかも物品だけでなく、情報も無制限に得られる。田舎で暮らしていて、つくづく思うのは、インターネットって都会の人のためのものじゃなく、不便な田舎の人のためのものだということ。ネットに地の利もくそもないのだ。

それでも仕事上の買い物は付き合いなどもあり、やはり地元になる。しばらくは取り寄せ地獄から逃れられそうにない。


2007年05月15日

田舎の人はおしゃべり?【田舎暮らし白書】 5

田舎の人はおしゃべり?田舎暮らし白書

田舎暮らしの中で耐え難いものの1つに「おしゃべり」がある。「耐え難い」は大げさかも知れないが、かなり面倒である。仕事で忙しいとか、家族を待たせてあるとか、お構いなしによくしゃべる人がいるのだ。それも結構多いので困る。

 ・とにかく自慢話しが得意のYさん。
 ・どうでもいいことを独り言のようにしゃべりまくるSさん。
 ・怒ってるような大声でまくし立てるようなマシンガントークのKさん。
 ・腰は低いがオヤジギャグをエンドレスに連発する長老Tさん。
 ・時と場所を考えず大きな声で長々と話し、ダイナミックに笑うSさん。
 ・囁くように次から次へと話題を投げかけ、なかなか帰らないNさん。

私の周りには、ちょっと考えただけでもこれくらいのおしゃべり人間がいるのである。真剣に考えれば、もっと出てくるだろう。考えただけでも恐ろしい(笑)。
コミュニケーションや会話は大切。それは分かる。でも、それって相手の状況を見極めて、迷惑が掛からない範囲での話。

もちろん、東京にだっておしゃべりはいたが、少なくとも私の周りにいた東京のおしゃべりは「時と場所を選ぶおしゃべり」だったような気がする。

田舎の人に失礼だが「暇」?
それとも、縁側でのんびりと話をする田舎の文化?
あるいは、ずっとニコニコしながら話を聞いてあげる私のせい・・・?

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2007年05月14日

地域のみんな知り合い!?【田舎暮らし白書】 5

地域のみんな知り合い!?【田舎暮らし白書】

これって田舎のメリットなのかデメリットなのか判断が難しいところだが、とにかく地域のみんなが何かしらでつながっていたりする。

Aさん「はじめまして、山田太郎と申します。」
Bさん「ん?山田さんて、○○村の山田さん?あの郵便局長の息子さん?」

Cさん「どうも、鈴木一郎です、」
Dさん「えっ?鈴木さんって、善次郎さんとこの鈴木さん?鉄三郎さんのとこの鈴木さん?」

万事においてこのような具合なのだ。(-。-)y-゜゜゜

私も何度「あぁ、材木屋の○○さん?」と言われたことか。あるいは、「○○さんという苗字ということは・・・○○町の人?」と、苗字から住所を推測されてしまう始末。

正直、放っておいて欲しい、そんなことどうでも良いだろう、と思ってしまうのだ。まあ、多少の社交辞令的なそういった会話は必要だろうが、そういった話が会話の7割、8割を占めてくると辟易する。隣りに誰が住んでいるのかも分からない都会の世界も異常なのだろうが、人のウワサや詮索が多すぎる田舎の暮らしもまた閉口してしまう。私の感覚がおかしいのだろうか。

今日なんか、職場の人間がこんなことを言っていたので驚いた。

「この前アノ人に『あなた○○町のAさん?』って言われたんで、『そうです』って答えたら、苦い顔をしていたので、家で聞いてみたら、アノ人、お母さんの従兄弟の前の夫だったんですよ。不倫が理由で離婚したんですけど、いつもアノ人と一緒にくる奥さんが不倫相手だったみたいです。」

なんだかサスペンスドラマを見ているようで疲れる。
ほんとに田舎って狭いんだなぁ〜と思った。
下手に人の悪口は言えない。



とはいえ、なぜか田舎の人は悪口が大好きなのだ・・・暇なのかな・・・。

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2007年05月05日

通勤地獄のない田舎の生活【田舎暮らし白書】 5

通勤地獄のない田舎の生活【田舎暮らし白書】

田舎暮らしを始めて、一番最初に「田舎はいいなぁ」と思ったのは通勤地獄がないということ。田舎は電車やバスなどの公共交通網のインフラが弱く、車社会なのだ。まあ、インフラが弱いというよりも乗る人がいないというだけなのだが・・・。田舎での通勤は、ほとんどの人が自家用車通勤なのである。

東京の時は通勤時間1時間や2時間は普通だった。3時間かけて通勤した時もあった。満員電車の中で二日酔いで吐きそうな時もあったし、小便だけでなく大きい方をもよおしたことも多々あった。眠くて膝をカクンカクンさせながら必死に電車の吊り革につかまっていた頃に比べると、田舎暮らしは天国のようだ。

くだらないようだが、これは田舎の大きな大きなメリットの1つと言えるだろう。

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田舎の方言【田舎暮らし白書】 5

田舎の方言【田舎暮らし白書】

田舎暮らしを始めて最初に困ったのは、何を隠そう「方言」である。
仕事を始めてからは言うまでもなくもっと困った。
方言が理解できずに時々会話が噛み合わないこともしばしば。

Aさん「カギ閉めたっけ」
ワタシ「まだ閉めてません」
Aさん「??? カギ閉めたっけ」
ワタシ「いや、だから、まだ閉めてませんよ」

「カギ閉めたっけ」は「カギ閉めたよ」の意味なのだ。
だからAさんは、「私がカギを閉めましたからね。」と言っていたのだ。
でも、ワタシは「閉めたっけ?」質問されていると思っていたので、噛み合う訳がない。

しばらくは、こういった方言障壁が日常茶飯事だった。

今でも特にお年寄りの会話は聞き取れない部分が多い。
かといって、あまり適当に「はい、はい」と返事をしていると、時に質問だったりするので気は抜けない(汗)。

しかしながら、最近恐ろしいことが起こった。
東京から姉夫婦が来たのだが、その際、ある店で私と店主の会話を聞いていた義兄が、「何を言ってるのか、ほとんど聞き取れなかった。」と言ったのである。
私は田舎暮らし4年目にして、標準語を話す都会人には理解できない「田舎の方言」を既に理解できる域に達しているということだ。
微妙・・・。

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田舎の物価は安いのか?【田舎暮らし白書】 5

田舎の物価は安いのか?【田舎暮らし白書】

さて、

田舎は物価が安いから、給料が安くても生活していける。

これは単なるイメージの問題で不正解だと私は考える。田舎の物価は決して安くはない。安いのは不動産くらいのもんだろう。衣食住の「住」だけだ。
しかし驚くのは、地元の人たちも上記のような幻想を抱いていることだ。
「東京は物価が高いから、生活するのは大変だ。その点、田舎は安くていい。」と。

ガソリンも東京と田舎では田舎の方が高いし、電化製品も東京の方が安く買える。なんといっても、東京は幅があるのだ。例えば、田舎ではAという商品が100円でしか売られていないのに対して
、東京では商品Aは激安30円で売っている店もあれば付加価値を付けて500円で売っている店もある。こういった幅だ。

統計上で東京の物価が高いのは、東京は激安店から超高級店までが存在していて、平均値を取れば高いということになっているだけだと思う。安いものを探せば、田舎よりもずっと安いものがたくさん見つかる。つまり、安く生活したければ都会の方が断然安く済むということ。リッチな生活をすれば、東京の物価はいくらでも高くなるだろう。個々の意識や行動によるのではないかなぁと思うのだ。

そもそも、私自身がそうだが、安月給であればそれなりの生活をするのだ。高給取りであれば、それはそれで贅沢な生活をする。東京にいた時は週に2〜3回は思う存分飲みに行っていた。それに、DVD、デジタルビデオ、音楽CD・・・好きなものを好きなだけ買っていた。しかし、田舎に来て安月給になったら、外では飲まず、家で大五郎(安い焼酎)を飲むようになったし、本もCDもあまり買わなくなった。

要するに、田舎の生活と都会の生活とでは、生活のレベルを変えているのだ。

私の経験で言えば、「田舎は物価が安いから暮らしやすい」というのは、決して真実ではないと思う。不動産以外の物価は同じ、もしくは高い。暮らしやすく感じるのは給料に見合った質素な暮らしをしているだけなのである。

ただ、


田舎には都会の生活にはないプライスレスの宝物”大自然”がある。
大自然は全ての田舎暮らしのデメリットを帳消しにするだけの魅力がある・・・と最近思うようになってきた。

これについては後ほど詳しく。

【田舎暮らし白書「たかが田舎暮し、されど田舎ぐらし」】

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